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API国際政治論壇レビュー(2022年5月・6月合併号)

2022/07/12

1.結束を示したNATOサミット

◆大きな画期となるサミット6月下旬に、ドイツのエルマウとスペインのマドリードで、二つの首脳会談があった。G7(主要7カ国)サミットとNATO(北大西洋条約機構)サミットであり、この二つに日本の岸田文雄首相も参加することになった。


日本の首相のNATOサミットへの参加は初めてのことである。また今回はNATOのアジア太平洋パートナー(AP4)である日本、オーストラリア、ニュージーランド、そして韓国の四カ国が招待され、この四カ国による首脳会談も開かれている。あわせて、今回のNATOサミットは、12年ぶりの「新戦略概念」改定となる重要なサミットであり、その文書の中でもアジア太平洋のパートナー諸国との協力の重要性が強調された。


ドイツでのG7サミットと、スペインでのNATOサミットの二つのサミットは、ロシアによるウクライナ侵略と、その後の戦争が継続する中での開催となった。それゆえ、ウクライナに対するG7やNATOとしての支援策や、ロシアを非難して制裁をさらに強化する必要性が論じられた。


また、これまでトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の反対によって座礁していた、スウェーデンとフィンランドという北欧の中立国2カ国のNATO加盟問題に重要な光が当てられた。マドリードNATOサミットでは、トルコ、スウェーデン、フィンランドに、NATO事務総長が参加する四者会合が開かれて、妥協が成立したことでスウェーデンとフィンランドのNATO加盟が合意された。なんとかNATOの結束を示すことに成功した今回のサミットは、ロシア・ウクライナ戦争の今後を展望する意味でも、大きな画期となるであろう。

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