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API国際政治論壇レビュー(2021年9月・10月合併号)

2021/10/27

2021年9月11日で、世界に衝撃を与えたアメリカでの同時多発テロの勃発から20年が経過したことになる。本来であればそれは、20年間の国際社会のアフガニスタンの安定化と復興の努力の結果として、民主化して平和となった姿を示す輝かしい記念日となるはずであった。ところがその時点でアフガニスタンを統治しているのは、20年前にアメリカが軍事力を用いて権力の座から引きずり降ろした武装勢力タリバンであった。そのような「不都合な真実」を前に、アメリカ外交は苦悩を深めている。それと前後する1カ月ほどの間に、国際情勢では巨大な地殻変動が続いた。8月半ばのカブール陥落以降、中国政府は9月17日にタジキスタンの首都ドゥシャンベで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議の機会などを通じてロシアなどとの提携を深める一方、アメリカは「クアッド」としての日米豪印の民主主義諸国との協力を強化していき、9月24日にはアメリカのワシントンDCで対面では初めてとなるクアッド首脳会談を開催した。さらには、AUKUSという新しい英米豪間の防衛協力の枠組みが急浮上して、後に触れるようにそのことが民主主義諸国間の結束を揺るがす動揺を与えた。(続きを読む

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