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API国際政治論壇レビュー(2022年9月・10月合併号)

2022/12/12


1.強権化する習近平体制

「賛美」が溢れた中国政府系メディア


2022年10月22日、中国共産党第20回全国代表大会が閉幕した。そこでは共産党の指導部となる第20期中央委員会の人事が明らかとなり、それは習近平の側近で固められ、中国がよりいっそう強権体制になる方向性が示された。中国政治の新しい動向に世界が関心を示した。


ミシガン大学政治学部の洪源远准教授が『ニューヨーク・タイムズ』紙に寄せた論稿では、これまで鄧小平が築き上げた改革開放時代が終わりを告げたことに注目する(1-①)。すなわち、習近平総書記は、経済成長の重要性よりも国内外の脅威に対抗する「安全(security)」の確保を優先した。この論稿では、そのような方向性が中国経済に打撃を与え、世界不況をもたらしかねないと警鐘を鳴らす。そして、毛沢東時代の中国や冷戦時代のソ連の経験は、絶対的な政治権力を求めて軍事強国の道を進むことが、いかに悲惨な結果となるかを示していると論じている。


それでは、3期目に入った習近平体制は、どのような外交を展開することになるのだろうか。当然ながらこの時期の中国のメディアは、習近平総書記の3期目スタートを歓迎し、その基本路線や思想を賛美する記事で溢れていてる。(記事を読む

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