2022/6/28
国連の「機能不全」に対する失望が深まっている。ウクライナを侵略するロシアは安全保障理事会で拒否権を行使し、非難決議案の採択を阻止した。中国はロシアとともに、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への制裁強化決議案を拒否権で否決に追い込んだ。2006年以来初めてだ。
第一次大戦後の国際連盟は米国が参加せず、常任理事国の日独伊が脱退して挫折した。今の安保理5常任理事国の拒否権は、国際社会の平和と安全を守るには大国間協調が不可欠との考えから、その特別な責任を負う代わりに認められた。
だが、中露は特権を利用して、国連を国益実現の道具としている。自身に制裁を科すような安保理決議をつくらせない。安保理決議のない米欧の軍事力行使は認めないとし、自らが「国連の擁護者」とのプロパガンダ(政治宣伝)に活用する。国連が「正義」を体現する組織であれば、中露は常に「正義」の側に立つことができる。(続きを読む)
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