2022/10/27
宮下 日出男
ロシアと北朝鮮、中国の核兵器を巡る新たな動向は国際秩序に革命的な変化をもたらしている。「使えない兵器」だった核が「使う兵器」と認識されるようになり、その使用が現実問題として迫っている。日本はこの変化を前提に、対処を検討せねばならない。
ウクライナ戦争の局面は同国4州をロシアが併合したことなどで、大きく変わりつつある。ロシアは通常兵器による攻撃に対しても「国家の存在が危険にさらされる」場合の核使用を認めている。劣勢に立たされる中、4州を「国土」とみなし、核兵器を使う可能性は著しく高まった。
人口希薄な地域への戦術核投下など核の限定使用で「加減された損害」を与えて敵の継戦意思をくじき、他国の介入も阻む。「エスカレーション抑止」と呼ばれるロシアの戦略だ。核は核の報復を招き、自らも壊滅的打撃を受ける恐れから「使えない兵器」とされてきた。だが、ロシアは10年ほど前から「使う兵器」と位置付けてきた。(記事を読む)
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