2014/3/28
「嫌韓」「反中」の見出しが躍る中吊り広告。現代の外交の難しさは、いったい何に起因しているのか。細谷雄一が外交の伝統と流行を語る。
かつての外交官は、戦争中でも敵国の外交官とお茶を飲みながら、理性によって合意を形成してきたという。現代の外交の難しさは、このエピソードの裏返しだ。自立性を失い、感情に左右され、国家ではない集団との外交を迫られているのだから。(編集部)
Text: Takeshi Sato Photo: Tsukuru Asada
現在、多くの人が尖閣諸島や竹島の問題など、日本と周囲の国々との関係を懸念しているはずだ。アジアの外に目を転じても、ウクライナの問題を世界中が注視している。
世界各地できな臭い匂いがする今、外交の果たす役割を改めて考えるよい機会ではないだろうか。
そこで今回は、「外交の伝統と流行」というテーマで、慶應義塾大学法学部の細谷雄一教授にお話をうかがった。細谷教授の専攻は国際政治、なかでも外交史が専門分野である。
はじめに、そもそも外交というものがいつ生まれたのかという点からうかがう。
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