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最長政権を記録した安倍晋三元総理とのささやかな思い出

2020/07/09

政治的立場を超えて、多くの政治家、政党が、今回の事件で安倍元総理逝去に哀悼の意を示したこと、そして病院搬送直後には、それまで安倍元総理を政治的厳しく批判していた多くの方が無事であることを祈っていたことに、日本国民が有する美徳を感じました。またそれは、暴力で政治を動かそうとする行為に強い反対の意見を示すという、ゆるやかな幅広い国民的コンセンサスが示されたことを意味していて、賞賛すべき姿勢だと思います。


おそらく安倍元総理ほど、世界中で広く名前が知られ、また世界中の指導者や政府からその逝去が惜しまれ、悲しまれる首相もこれまでいなかったと思います。また、憲政史上最長の政権であった記録も、客観的な事実として長く記憶されていくのだろうと思います。


少ない回数ながらも直接接する機会があった立場から回顧しますと、安倍総理ほど細やかな配慮をなさって、繊細な感情を持ち、他者への敬意を示してくれる政治家の方は稀であったと思います。有識者会議などの機会で安倍総理から、何か嫌な圧力や、権威主義的な態度は感じたことは一度もなく、いつもその周りには風通しの良い、何を発言してもよいというような開放的な空気がありました。また、つねに周りの人を楽しませようと冗談を言ったり、リラックスできるようなさりげない配慮の一言を述べたり、いつでも周りの人たちを気遣っていたように思えます。そのような配慮や気遣いが、結果として、自民党の中で安倍政権を長期間支えようという空気を生み出したのではないでしょうか。もちろん、接してお話しした方でも、それとは異なる印象を得た方もおそらくはおられたかもしれません。

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